現代の暮らしは高度化・分業化が進み、住まいもまた専門性の高いものとなっている。かつて民家は、身近な素材でつくられ、
不具合があれば自ら手を入れて修繕していた。
この住宅では、建築に対する暮らし手の主体性を取り戻すことをテーマとし、「自分の手で扱える建築」を目指した。
本計画は、京都市内で陶芸工房と住まいを別々に構えていた夫婦が、生活と制作の場を一体化させたいという思いから始まった。
クライアントが抱いていたのは、明確な理想や夢ではなく、「日々の暮らしを穏やかに営みたい」という率直で等身大の想い。
それは、過度な意匠や演出ではなく、生きるための場所としての家を求める姿勢であった。