JOURNAL

お店づくりプロセスpart2「色決め」

間取りの次にインテリアの「色」を考えていきました。

「素材感」「光の当たり方」「隣り合う色との関係」「色の面積効果という錯覚」などによって、見え方が全然変わってくるから色決めは本当に難しいです。

「琥珀色のたこ焼きの色」に合うベージュ系をメインカラーにするのがいいのではというのは当初からイメージしていました。

ベージュをメインカラーとしつつ、
床、壁、天井、家具の色のバリエーションを検討します。

①②壁の上下でベージュとグレーに塗り分けた案。
なかなか良いけれど、少しモダンになるので、たこ焼きの暖かな雰囲気には合わないなという印象です。

③全てグレーにすると冷たい印象になってしまいます。アパレルショップなら良いかもしれません。

④⑤⑥壁、天井、カウンターともベージュで統一すると洗練されつつも温かみがでて、たこ焼きのイメージと合うように感じられます。

さらに床のバリエーションを考えていきました。
⑤黒にすると和菓子屋さんぽくなります。
⑥ベージュにすると、ストイックすぎて、少し単調になりました。

④荒い目のモルタルで仕上げると、少しカジュアルにもなって、ふらっと入ってくれそうな雰囲気を作り出せそうです。

そして決まったカラーイメージがこちら。

ベージュと一言で言っても、
薄いベージュ、濃いベージュ、黄色がかったベージュ、赤みがかったベージュなど様々です。

ここから、どんなニュアンスのベージュにすればよいか検討していきます。

ベージュ系でまとめられたお店にも足を運んで、カラーチャートと比較したりもしました。

もっと薄いベージュが使われているのかなと思っていたお店も、こうやってみると思ったよりも濃かったりします。

でもお店全体としてみるととても自然に見えるので不思議です。

カラーチャートの色と実際お店で使った時の印象の違いを確認することができました。

カラーチャートから20種類程度、30センチ角ぐらいのサンプルをもらい、実際に比較してみます。

カラーチャートでみると良い色味だと思ったものも、実際見ると全然違ったりするので、現物のサンプルを見るのは必須です。

絞られてきたのは10種類。

室内で見ると色味が変わってしまうので、外で並べてみます。
晴れの日、曇りの日、日中、夕方、など天気や時間帯でも見比べてみます。

ずっと、あれやこれや見比べるとだんだんわからなくなってくるので、
そうなると一旦休憩。次の日にもう一度見てみます。

昨日よかったものと同じものを続けて選ぶと、だんだんと確信に変わります。

現場にあてて最終確認。

テクスチャーの凹凸もあり、見る角度によって暗く見えたりします。
ここにきて少し暗いかもしれないと心配になります。

「色の面積効果という錯覚」にも気をつけなければいけません。
(小さい面積の色よりも、大きな面積のほうが明るく見えるという錯覚です。)

サンプルは小さな面積なので、全体が塗られると、ちょうど良い明るさになるはずだと心に決め、職人さんにこの色を伝えました。

出来上がったのをみると、驚くほど自然でイメージにぴったりでした。
「この色にしてよかった!」と確信できた瞬間でした。

色決めは本当に難しいです。

少しの違いで印象ががらっと変わってしまう色味は慎重に検討しなければいけないと感じます。