JOURNAL

卒業研究公開審査会のご案内

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大阪工業大学工学部建築学科の卒業研究審査会に
審査員として参加致します。
ライブ配信も予定されています。
また、コロナの状況により予定変更などがある場合があります。
詳細は下記のリンクをご覧ください。
http://www.oit.ac.jp/archi/news/2021/01/05/1828
丸一年コロナ禍の影響を受けた学生達が
今どんなことを考えているのか、
作品にどんな変化があったのか、
またはなかったのかを見れるのを楽しみにしています。
また、これからの建築について
一緒に考えられればいいなと思います。
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2021年のご挨拶

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あけましておめでとうございます。
昨年はSDレビューに入選しましたG町の立体廻廊が竣工しました。
(写真:山内紀人)
写真は後日ホームページにアップ予定です。
書籍掲載も予定していますのでご覧いただけると幸いです。
また、昨年から大学での非常勤講師をはじめ、リモートを交えながらでしたが、
自分の経験を学生に伝えていける機会をいただきました。
今年はすでに2件のプロジェクトが進んでおり、
設計から工事監理まで一通りこなせそうです。
大学での非常勤講師は2校に増え、2月には某大学の
卒業制作の審査委員にお誘いいただいています。
2021年は設計と教育の2方面を活動的に行なっていく年にしたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
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書籍掲載のお知らせ

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あやめ池の家が住空間計画学(学芸出版社)に掲載されました。
竣工から5年経ちましたがこうして掲載されたことを嬉しく思います。
たくさんの人に読まれる事を願っています。
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3.6メートルのキッチンカウンター

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キッチンカウンターの施工が始まりました。
長さ3.6メートルのキッチンカウンターはLDKの顔になります。
仕上げは、薄塗りの左官材モールテックス。撥水性もありキッチンにも使用可能です。
無数のカラーバリエーションから、何度もサンプルを作っていただき、
落ち着いた色味ながら、しっかりと素材感と存在感のあるキッチンカウンターに仕上がりました。
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左官仕上げ

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いよいよ仕上げ段階に入りました。
既存壁はもともとの塗り壁を尊重して丁寧に塗り直しをします。
新規壁は、左官仕上げの下地塗り材を仕上げとして利用しようと企んでいます。
下地材ながらとてもよい質感です。
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街を俯瞰的に眺め、お店の特徴を引き出す設計手法

column
もともと美容室だった小さな平屋の建物をパン屋さんに改装するための設計をしました。
1.周辺の環境について
場所は交通量の多い国道に面していました。


どこの国道沿いにもあるように、電気屋さん、コンビニ、チェーン店のラーメン屋さんなど、大型店舗が建ち並んでいる風景が広がっていました。
それらの店舗はどれも車から目立つように派手な色で彩られていたり、大きな看板で存在感をアピールしていました。
そんな風景の中に、小さく佇んでいた平屋の建物は可愛らしくもありましたが、
どれだけ背伸びしたところで周りの大きな店舗に埋もれて見過ごされてしまうのではないかと心配でもありました。
2.建物について
平屋の建物は、一つの建物のように見えましたが、後ろ側が増築されていることが分かりました。

もともとの建物と増築部分とのあいだの壁は外壁だったということになるので、その壁を取り払うことは構造上、強度的に困難でした。
3.パン屋さんについて

一般的にはパン屋さんは、パンを作る工房とパンを売る売り場に分かれます。
工房と売り場は面責比率にするとおよそ7:3で工房の方がおおきな面積が必要です。
また、パン屋さんは早朝から生地の仕込みをはじめ、比較的早い時間から開店します。
この平屋の建物は、国道沿いに面していましたが、裏側はすぐに住宅が建ち並んでおり、早朝から仕込み中に発生する騒音が住人達の迷惑になる懸念がありました。
開業されるパン屋さんは、無添加、国産小麦を使用し、子供から年配の方まで安心安全で食べていただけるパン作りが特徴でした。
この特徴をアピール、表現する事がお店の個性を出すうえで大切な事です。
4.設計について
このような立地でパン屋さんを設計する場合の一般的な解答は、オモテ側に売り場を配置し、国道を通る車からパンを売っている姿を見せることでパン屋さんをアピールし、視認性の必要のないウラ側に工房を配置するという方法です。

ただ解答としてはセオリーどおりですが、
例えば、ウラ側に工房を配置することになると、増築部分とのあいだの壁を撤去して広さを確保しないといけないので、構造的に不合理になってしまいます。
さらに、工房が住宅地側にくるので騒音の問題も発生します。
もともとの建物の状態や周辺の環境まで配慮すると、セオリーどおりではうまくいかない部分が出てきます。
5.発想の転換
そこで、一つの発想の転換により、与条件を上手にクリアすることと同時に、お店の特徴をアピールすることにも応えられるアイデアを考えました。
その一つの方法とは、売り場と工房の位置を入れ替えることです。
そうすることで、売り場に必要な面積7と工房に必要な面積3を増築部分との間の壁の位置を変更することなく振り分けることができます。

さらに、オモテ側に工房を配置することで、ウラ側の住宅地から距離をとれるので、
騒音を気にすることなく早朝の仕込みをおこなうことができます。

また、国道を行き交う車などから窓を介してパンを作っている光景が垣間見れます。

大きな文字看板で直接的にアピールするのではなく、パンを作っている窓越しの風景そのものが看板代わりになり、安心安全なパン作をつくっているということを表現します。

それは、周囲の大型店舗が大きさや派手さでアピールするのとは対照的に、ささやかだけれど、周囲とは異質でかえって存在感を出すことができます。

さらに、売り場は、国道の騒音から距離をおいた住宅地側の静かな位置になり、
家でゆっくりパンを選んでいるような落ち着いた環境をつくることができます。

このように、セオリーどおりの設計から売り場と工房の配置を入れ替えるというたった一つの発想の転換によって、様々な与条件を解決すると同時に、特徴を引き出しアピールできるお店をつくることができました。
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京都のリノベーション現場がはじまっています

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2019年から設計をスタートしていました京都のリノベーション(G町の立体廻廊)の現場がはじまりました。
柱や梁などを見ていると100年前に家が建てられた時代やその後に改装に関わった大工さんたちの痕跡がありありと見え、
いろんな物語が隠されているのを想像するのがとてもおもしろいです。
と同時に100年の歴史の上に、今回設計に関わらせていただいている責任を感じます。
次の時代に見ても恥ずかしくない設計と施工をしなければいけないと思いました。
1階の大部分は土間コンクリートで基礎を新設、床をフラットにしていきました。
床が平滑になると、その広さを実感できます。
大工さんが新しく建てる柱の加工をされています。
一本一本丁寧に加工、カンナがけ、木の香りが漂います。
プレカットが進む中、現場で大工さんがカンナがけをしているのを見るのは久しぶりです。
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廻廊の素材探し

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廻廊に利用できそうな素材を探し、兵庫県西脇市の長谷川工業さんの工場まで行ってきました。
目につけていたものは、工事現場用のアルミ製仮設足場です。
長さ6メートルを両端だけで支持できるそうで、足場の上を歩いて揺れやたわみを確認しました。
強度的には問題なさそうでしたが、アルミ製ということもあり、たわみと揺れが大きく、実際にしようするにはいろいろと解決しないといけない点がありそうです。
これからも廻廊をどう作るか検討が続きそうです。
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建築家視点の土地選び

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「土地選びから家を建てよう」と思われている方はもちろん、
「将来的には考えているけどまだまだ先、、」
という方にもぜひ読んでもらいたいです。
家づくりが始まるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
その前から知識をもっている事で、余裕を持って家づくりができると思います。
1.土地選びから建築家に入ってもらう
「この土地が自分たちに合っているのか分からない。」
「この建ぺい率と容積率でどれぐらいの建物が建てられるのかな。」
土地を持っていない方が家づくりをはじめると、わからない事もたくさん出てくるだろうと思います。
不動産屋さんは土地の専門家なので、土地の事を教えてもらうことはできますが、
設計の専門家ではないので、その先の設計のことになると不安です。
そこで、土地を買ったその先を見据えて、土地選びから設計の専門家である建築家に入ってもらうことで、「建築家」は「不動産屋さん」と「クライアント」の繋ぎ役になってくれます。
2.総予算から土地と建物に掛けるバランスを決める
「土地にこれだけかかったから、残りで建物を建てよう。」と、
土地を優先して考えてしまうと、肝心の建物が貧しいものになってしまいます。
(中古住宅や中古マンションを購入して改装したいと思っている方も同じです。)
家づくりには必ず予算があります。その中で土地と建物のバランス、土地選びの優先順位を一緒に考えるのも建築家の仕事です。
大切なのは、建物の大まかなイメージを建築家と共有しながら土地を選ぶ事です。
例えば、「この土地だったら、こっちの方角から気持ちのいい風が流れてくるから、窓はこちらにとればいいですね。でも隣の家の窓とバッティングするから、このように窓をずらすことでプライバシーも守れますし風通しの良い家が建てられます。」といったことや、「ここは理想の駅近ですが、土地が狭いですね。でも建物をこういうふうに建てれば、立体的な面積以上の広がりのある家が建てられますね。」といったように、建物のイメージを伝えてもらう事ができます。
不動産屋さんは土地のスペシャリスト。
建築家は土地を見て建物をイメージできるスペシャリストなのです。
3.土地の隠れた価値を見つけ出す
建築家でなくても、ハウスメーカーや工務店も土地探しから相談はできます。
ただ、ハウスメーカーや大半の工務店は真っ平らな土地にしか自社の建物を建てる事はできないので、必然的に真っ平らな土地を選ぶことになります。
真っ平らな土地は、整地したり、造成するのにとても大きなコストをかけているのでどうしても高価になっていまします。
しかし、家は真っ平らでなくても建てられる事はできますし、むしろ真っ平らではない方が魅力のある建物が建てられる場合が多いです。柔軟で自由に思考できる建築家は、気づかない魅力を見つけ出し、価値に変える事ができるのです。
4.土地も建物と同様設計対象です
ここでひとつ私の設計した「蛙股池の家」の例をご紹介したいと思います。
最寄り駅から徒歩10分にも関わらず、一方を森に面し、一方を池に面している自然豊かな土地が見つかりました。

不動産屋さんからは、「池に面した2辺の既存擁壁が2段擁壁という違法状態となっているので、家を建てる時にはこの擁壁を造り変えないといけないです。」と言われたそうです。
こんな自然豊かな好立地なのに、安く売りに出されていた理由は、擁壁を造り変えるのに1500万ほどかかってしまうからでした。
不動産屋さんも、数年前から売りに出されていたにも関わらず売れないので悩んでおられました。
この土地を見た私は、既存の下部擁壁の強度は構造設計者と安全性を確認した上で、上部コンクリートブロック擁壁だけを撤去し合法化することで、下部擁壁をそのまま残して利用し、擁壁際から建物までを斜面にして建物と緩やかに繋げるという提案をしました。

結果、周辺の土地相場の半額(擁壁を造り変える費用をかけずに)で土地を手に入れ、周囲の自然環境と緩やかに繋がる家を建てる事ができました。
このように、土地は与えられるだけのものではなく、土地自体も設計することが可能です。

↑完成から2年経った今では、斜面は緑で覆われ周囲の土手と緩やかに繋がり、緑の中に家が建っているように感じられます。
5.さいごに
自分で土地探し → 設計者探し
ではなく、
設計者探し → いっしょに土地探し
というベクトルで考えてみましょう。
そして、一般に家を作ろうと思い始めるより少し前から、建築家に相談し始めるのが理想です。
建物の設計と同じぐらい、土地選びも大切です。
よい土地がみつかりますように。
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JIAデザイントークのご案内

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11月20(水)18:30-20:30
京都もやし町家にてトークイベントに登壇します。
「場所のてがかり」をテーマにこれまでのプロジェクトのお話しをしたいと思っています。
ご一緒するのは建築家殿井環さんです。
ぜひお越しください。
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