池のほとりに建つ住宅です。
敷地は、北は池に面し、東は空き地を挟んで住宅地、西は前面道路を挟んで森が広がっていました。
敷地の外周には既存の2段擁壁(違法状態)があったので、上部のコンクリートブロックを撤去し2段擁壁を解消し、下部の既存擁壁を再利用しました。
建物と既存擁壁のあいだには斜面をつくり、現在では斜面全体が下草に覆われ周囲の土手と連続した風景をつくっています。
内部は、6枚の床を螺旋状に浮かべています。
1階では、6枚の床ごとに全て天井の高さが異なります。
水廻り→リビング→ダイニング→キッチンの順に天井が高くなり、リビングではくつろぐ、ダイニングでは座る、キッチンでは立つという、姿勢の状態にたいして心地よい天井高をつくりだしています。
水平連窓がぐるりとまわる2階では、6枚の床ごとに全て窓の高さが異なります。
寝室→子供部屋→バルコニー→セカンドリビングの順にハイサイドライトから腰窓へと高さが変化します。
寝室、子供室は東側住宅地からの視線を遮るハイサイドライト、バルコニーでは北側の池を望む事ができる手摺壁の高さ、セカンドリビングでは西側の森を間近に感じられる大きな腰窓といったように、それぞれの部屋と外部の環境に見合った窓の高さをつくりだしています。
この計画では床の高さを変数としてあつかう事で、1階と2階の間取り、さらに外部との関係を同時に解こうと考えました。